こんにちは、藤野台ガーデンヒルの奥山です。
今日は「冬の皮膚のかゆみ」についてお伝えします。
シニアの乾燥肌の予防は保湿ではなく補湿!
肌の働きと乾燥肌のメカニズム
健康な皮膚には、潤いを保つ働きや、異物の侵入を防ぐ働きが備わっています。
これらの役割を担っているのが「角層」という部分。
角層は皮膚の表面にありますが、夏から秋になって、湿度が下がってくると、この角層から水分が奪われやすくなり、乾燥しやすくなります。
すると、水分を奪われた細胞は縮み、細胞同士の間に隙間が生まれます。すると、さらにその隙間から水分が蒸発しやすくなるのです。
こうして、細胞に潤いがなくなり、細胞間にスキマが開いた状態で、いろいろな刺激に過敏になって、かゆみなどが起きるのです。
これはシニアももちろんですが、若い方でも、同様のメカニズムで痒みなどが引き起こります。
シニア世代の乾燥肌
シニア世代では、加齢により、角層に水分を保つ機能がもともと低くなっており、いわゆる「乾燥肌」になっています。
そこに、湿度の低下という条件が加わると、さらに肌の乾燥が進みやすくなり、痒みが出やすくなるのです。
もともと、角層の水分を失いにくいように、人の肌は「皮脂」も分泌して、潤いを保つような働きも持っています。
が、このような”乾きやすい条件”がかさなると、皮脂分泌の少ない部位や、または衣服などでよく擦れるような部位は、乾燥痒みが出やすい部位となります。
乾燥肌になりやすい部位
乾燥肌になりやすい部位は、このような部位があります。
皮脂分泌が少ない「すね」や、衣服との接触が多い「背中」や「ふくらはぎ」などは痒みが起きやすいようです。


また、水仕事や煩雑な作業が多い「手」も皮脂が失われて、痒みが出やすいようです。
特に手は、秋口から気温が下がることもあり、食器洗いや手洗いに「温水」を使用する機会が増えます。
温水は、温度が高い分冷たさがなく快適ですが、石鹸や食器洗剤と組み合わさると、皮脂を洗い流す作用も高くなるため、手の乾燥が進みやすくなります。
手荒れを防ぎたい場合は、あまり暖かい湯で手洗いしないことや、水仕事用のゴム手袋を着用して、適時ハンドクリームなどで保湿すると良いでしょう。
痛みとことなり、痒みときくと、許せてしまいそうですが、四六時中つきまとうしつこい痒みは、かなりのストレスや睡眠の妨げとなり、生活の質を下がります。
また、皮脂欠乏性湿疹などの原因にもなりますので、あなどれません。
毎年、冬になると身体の一部が痒くなる、という方は、秋口から乾燥肌にならないように予防することが大切です。
保湿と補湿
化粧品などで「保湿」という表現には馴染みがあると思います。
保湿とは、角層から水分の喪失を防ぐことです。
例えば、加湿器で湿度を高めに維持するとか、皮脂の代わりになるオイル(油分)などで角層からの水分喪失を防ぐ対処法です。
ですが、保湿はあくまで「角層にある水分の損失防止」ですので、そもそもの肌がカラカラの状態で行っても、あまり意味がありません。
そこでシニアで必要になるのが「補湿」です。
そう、保つ前に、補う必要があります。
保湿には、油分の多い軟膏やオイルが効果的ですが、補湿では、より水分が多いいローション(化粧水)や乳液が効果的です。
ち空気中の水分が少なくなってくる、秋口からは、水分が多くべたつきにくい乳液や保湿剤がオススメです。
いまは、さまざまな化粧水はもちろん、入浴剤などにも、保湿性を高める配合のものがあるので、上手に使うと良いです。
使いごごちの良いものや、自分の好きな香りなど、自分の皮膚やライフスタイルに合うものを上手に選びましょう。
やりすぎも禁物
人間のカラダは、もともと自律的にバランスをとるように仕組みができています。
角層の保湿や皮脂分泌など、維持に必要な分は、本来であればカラダが自然に補うようにできています。
シニア世代のように、その機能そのものが衰えてきて、不足を十分に補えない場合は、外から補うことが必要です。
ですが、あまり過度に保湿を意識しすぎて、軽い乾燥肌なのに、軟膏やオイルをたくさん塗っていると、カラダが本来もっている皮脂分泌の働きが弱まってしまい、逆効果になってしまいます。
あまり神経質になって「甘やかしすぎない」ということも気をつけてくださいね。
[参考資料:NHKテキスト 今日の健康10月号 P104冬の皮膚のかゆみ 上出良一 ひふのクリニック人形町院長 著]
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